キャビテーションとは
ポンプで問題になるキャビテーションを簡単にいうと、圧力低下のために液体中に泡が生じる現象です。
液体の圧力が飽和蒸気圧以下に低下すると気泡が発生します。例えば、飽和蒸気圧が-0.07MPaGの液体が-0.07MPaG以下の低圧となれば、気泡が発生します。
この気泡が圧力の高いところに来ると崩壊し、その時に衝撃が発生します。
キャビテーションが発生すると、ポンプの性能低下、振動・騒音の増加更に進めば壊食といわれる破壊現象を引き起こします。
キャビテーションを起こさないためにはポンプ内の一番圧力が低下する部分での圧力が液体の飽和蒸気圧力以下にならないようにする必要があります。
NPSHとは
ポンプが、キャビテイションを起すか否かの判定の基準となる数値であり、ポンプで液が吸込可能か否かの判定に利用されます。 NPSHには次の2つがあり、
必要NPSH(required net positive suction head)
有効NPSH(available net positive suction head)
有効NPSHが、そのポンプの必要NPSHより大きくなくてはいけません。
小さかったらキャビテーションが発生します。
なお、必要NPSHはポンプ側で決まる値で、有効NPSHは配管条件等で決まる値です。
ギヤポンプの吐出量の制御方法は
渦巻ポンプはインペラの回転により生じる液体の遠心力を利用し外周が高圧となり、外部に液体が吐出されます。
ギヤポンプは容積型のポンプとなり、容積の変化を利用して一定の量を外部に吐出します。
解りやすく言えば、渦巻きポンプは圧力を発生させますが、ギアポンプは吐出側の配管等の状況で圧力が変わります。
このため、渦巻きポンプの場合、吐出側のバルブを操作さすることで、抵抗が変わり吐出量も変わります。 ギアポンプは吐出側のバルブを徐々に閉めても圧力が上昇するのみです。
バルブを更に閉めていくとガスケットの破損、過負荷等となり、ポンプを破損させる要因となります。
ギアポンプの吐出量の制御は変速機又はインバーターで回転数を変える方法が一般的です。
なお、吐出側と吸込側をバイパス配管で連絡し、そこに取り付けたバルブを制御して吐出量の一部を逆流させる方法もあります。